石綿障害予防規則等の一部改正について

令和2年7月に公布された改正石綿則ですが、この4月から施行になります。


その大まかなところを説明します。
図にまとめると次のようになります。

事前調査

 建築物、工作物又は船舶の解体工事、リフォーム・修繕などの改修工事(封じ込め又は囲い込みを含む)を行うときは、石綿等の使用の有無を調査しなければならないとしています。

<事前調査の対象とならない作業>

  1. 木材、金属、石、ガラス等のみで構成されているもの、畳、電球等の石綿等が含まれていないことが明らかなものであって、手作業や電動ドライバー等の電動工具により容易に取り外すことが可能又はボルト、ナット等の固定具を取り外すことで除去又は取り外しが可能である等、当該材料の除去等を行う時に周囲の材料を損傷させるおそれのない作業
  2. 釘を使って固定する、又は刺さっている釘を抜く等、材料に、石綿が飛散する可能性がほとんどないと考えられる極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業。なお、電動工具等を用いて、石綿等が使用されている可能性のある壁面等に穴を開ける作業は、これには該当せず、事前調査を行う必要があること。
  3. 既存の塗装の上に新たに塗装を塗る作業等、現存する材料等の除去は行わず、新たな材料を追加するのみの作業
  4. 国土交通省等各省による用途や仕様の確認、調査結果から石綿が使用されていないことが確認された工作物、船舶の解体・改修の作業

石綿含有建材調査者

事前調査を行う者の要件に「一戸建て等石綿含有建材調査者」が新設されました。
・特定建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者(名称変更)
一戸建て等石綿含有建材調査者(新設)
 (一般戸建て住宅または共同住宅の内部に限定)
資格者の調査の実施は、令和5年10月1日から施行になりますが、それ以前であっても資格者が調査を行うことが望ましいとしています。

事前調査結果等の届出について

 今まで届出の義務はありませんでしたが、一定の規模以上の工事については、元請事業者が下請事業者に係る内容も含めて、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないようになりました。
<報告が必要となる工事>
①解体部分の床面積が80㎡以上の建築物の解体工事
②請負金額が材料費を含めた100万円以上の建築物の改修工事
③請負金額が材料費を含めた100万円以上の以下の次の工作物の解体・改修工事
 ・反応槽、加熱炉、ボイラー、圧力容器
 ・配管設備(給排水、換気、冷暖房、排煙設備等は除く)
 ・燃焼設備
 ・煙突  ほか

詳細については、解体等作業を対象とした説明等に参加することをお奨めします。

各種パンフレット(厚生労働省リンク)

溶接ヒューム内のマンガン(速報)

16日に
「マンガン及びその化合物並びに溶接ヒュームに係る健康障害防止措置の検討について」の検討会(資料)がありました。
議事録はまだですが、傍聴したところ、ほぼ決定なのでお知らせします。

「塩基性酸化マンガンは除く」が外れます

海外ではもともと、塩基性酸化マンガンも規制対象です。日本は今まで除外されていましたが、塩基性酸化マンガンも他のマンガン(両性、酸性酸化マンガン)と同様に神経機能障害がみられることから、すべてが対象となります。

「溶接ヒューム」として、新たに特化物に加わります

他のマンガン取り扱いとは差別化して、溶接作業を規制する意味で、別の特化物となります(管理第2類)。
溶接ヒュームの中にマンガンが含まれていますが、今までは粉じん則として管理されてきましたが、発がん性を考慮した管理が始まります。
溶接によるじん肺と、マンガンによる肺がんとで、区別が出来ないことから、「特別管理物質」としての管理はされません。
特別管理物質になると、健康診断や環境測定及び作業記録の保存年数が30年になってしまいます。

作業環境測定はしなくてよい

定期的の作業環境測定は義務化しない方向のようです。
ですが、個人サンプラーを用いた作業環境測定を行って、保護具を決定する必要があるようです。
まだ、個人サンプラーを用いた作業環境測定については、パブリックコメントで意見を聞いているところです(ほぼ内容は決定してますが)。
この測定の施行に合わせると思います。
溶接ヒュームは熱上昇を伴うので、普通の作業環境測定だと過小評価してしまうので個人サンプラーを用いた方法を採用するようです。

溶解フェロマンガンヒューム(製鉄業)も溶接と同じようにマンガンにばく露してしまいますが、こちらも「溶接ヒューム」としての管理に含まれるのかは議事録で確認しないとちょっとわかりません。

議事録が発表されたら、また続報します。