密閉装置の排気について(有機溶剤、特化物関係)

前に粉じん関係について書きましたが、基本的な考え方は同じです。
ですが、蒸気やガスになる有害物については注意が必要です。

有機溶剤の場合

法的に、密閉装置とは?といった説明がありません。
参考までに、「有機溶剤作業主任者テキスト」には、「密閉構造というのは、多少内部が加圧状態になっても有機溶剤上記が外に漏れ出さない構造をいう。」とあります。このような構造が望まれます。

密閉した状態ならばよいですが、密閉装置を開放する場合は、送気マスク又は防毒マスクの着用が義務になります(有機則第33条第1項第7号)。
ですが、よくある洗浄溶剤などが入っているちょっとした容器にある蓋を開ける場合は、密閉装置を開放するというよりも、その後何をするかによって、局所排気装置を設置したほうが良い場合があるので注意してください。

ある自動洗浄機能を持つ印刷機で、囲いがされて密閉状態と判断される装置があるとします。ですが、床付近に隙間があり有機溶剤蒸気が漏洩してくるケースがあります。

また、密閉装置に排気装置がある場合、この排気装置は局所排気装置に該当しないので屋内排気でも法的に問題ないことになります。
本来、その密閉設備を設置する際には、所轄監督署に設置届を出さないといけません。その設置届には、密閉設備の場合、密閉の方式及び当該設備の主要部分の構造の概要を記載しないといけません。
その内容を、所轄監督署が精査してくれていればいいのですが、有機溶剤蒸気がだだもれの設備も見受けられます。

法律で問題なくても、労働衛生上、きちんと屋外に排気することが望まれます。
あからさまに有機溶剤蒸気が排気されている場合、
「密閉設備だから、負圧に保つために排気しているものは局所排気装置に該当しないので、屋内排気でも問題ない」と主張しても、有機則第13条の2に基づき特例許可を受けなさい。と云われる可能性があります。

第十三条の二 事業者は、第五条の規定にかかわらず、次条第一項の発散防止抑制措置(有機溶剤の蒸気の発散を防止し、又は抑制する設備又は装置を設置することその他の措置をいう。以下この条及び次条において同じ。)に係る許可を受けるために同項に規定する有機溶剤の濃度の測定を行うときは、次の措置を講じた上で、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置及びプッシュプル型換気装置を設けないことができる。

この法律は「所定の性能を有する発散防止抑制装置を付ければ密閉装置、局所排気装置などを付けなくていいですよ。だけど、監督署長の許可をもらってね。」というもの。
所定の性能は、屋内排気しても安全であることが求められています。活性炭カートリッジなどで、排気空気に含まれている有機溶剤蒸気を除去するうえに、活性炭フィルターが飽和して、有機溶剤蒸気が室内に出てきたら、警報などで知らせる装置がなければいけないとしています。
めんどくさいです。そういった装置をメーカーから購入するのが近道です。

特化則の場合

有機溶剤とほぼ同じです。
同じような法律(特化則第6条の2)があります。

第六条の二 事業者は、第四条第三項及び第五条第一項の規定にかかわらず、次条第一項の発散防止抑制 措置(第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの発散を防止し、又は抑制する設備又は装置を設置することその他の措置をいう。以下この条及び次条において同じ。)に係る許可を受けるために同項に規定する第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの濃度の測定を行うときは、次の措置を講じた上で、第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置及びプッシュプル型換気装置を設けないことができる。

コバルトを含有する合金の研磨を行う湿式研磨装置は、オイルミストが発生するので、密閉設備になっているケースが多いと思います。その密閉装置にはオイルミストコレクターで加工時に発生するオイルミストを捕集し、排気はそのまま屋内に出しています。
密閉設備なら内部を負圧に保つ装置として捉えられると思いますが、研磨部が開放されている装置については、上の特化則第6条の2の許可が必要になるおそれがありますので、注意してください。

投稿者: 管理人 ごじら

労働安全衛生コンサルタント(機械・衛生工学) 作業環境測定士から始まり、健康診断の集団検診の事業場様対応窓口を経て衛生管理者や作業主任者、化学物質リスクアセスメントの講師などをやっております。開業予定は2025年目標!

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