はんだ付けとは、はんだによって金属を継ぎ合わすこと。
Wikipediaより
手作業では、線はんだをこてで溶かし、プリント基板と電子回路部品を付ける作業です。
しかし、自動になると、はんだ槽の溶けたはんだを噴流させ、盛り上がった溶融はんだとその上を通るプリント基板の裏面(下の面)を触れさせ、電子回路部品をはんだ付けするという工程になります(フロー方式)。
はんだ付けではあるけど、はんだ槽ではんだを溶かすということで、鉛ライニングになるのでは?
鉛ライニングは、鉛の被膜を成形する。または鉛コーティングが目的なので、はんだ槽でプリント基板に塗布する様な工程であっても、目的は電子回路部品の接合なので、鉛ライニングにはならないらしいです。
同様に、鉛噴流装置でプリント基板に付けたはんだ部分を溶かし、電子回路部品を取り外す作業も、はんだ作業の一環と判断してもよいようです。
↑の判断ですが、別フロアではんだ付けしたプリント基板の修正で、別部屋にもってきて鉛噴流装置をもちいて電子回路部品を取り外す作業の作業環境測定は必要か問い合わせたところ、不要との回答をもらいました。
部屋が違っていても、プリント基板のはんだ付けの一環と判断されるようです。
線はんだではなく、棒はんだをアセチレンバーナーで溶かすロウ付けという作業があります。
こちらは同じ作業でも、コーティング目的と接着目的とで、前者は鉛ライニング、後者ははんだ付けと判断されるようです。
鉛ライニングは、法的に局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の設置が義務(鉛則第11条)になりますが、はんだ付けは、局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置の設置が義務になります。裏を返せば、おなじロウ付け作業でも後者は全体換気装置で問題ないことになります。
ですが、労働衛生的には、ロウ付けによるはんだ付けでも、局所排気装置の設置が望まれます。
はんだ付け作業場に全体換気装置を設置する場合は、法的に、必要な能力が定められています。
全体換気装置の必要能力 (m3/時間 )の計算
例 はんだ付け作業者 2名
はんだ付け作業者を含めた在室している全作業者 5名
はんだ付け作業者2名×100m3/時間/名 =200m3/時間
全作業者 5名× 30m3/時間/名 =150m3/時間
上のほうが下より大きい場合、上の数字以上の能力を。
下の人数が7名だと、下は210m3/時間になり、210m3/時間を超える能力にしなければならないとしている(昭和42年3月31日 基発第442号)。
自分の会社が大丈夫なのか、計算してみましょう♪
はんだ付け作業の範囲(鉛則)について拝見させていただきました。
弊社でも手はんだ付けおよび、はんだ槽によるはんだ付け、実装機によろフローはんだ付けを行っていますが、これらはの業務は鉛則の該当ではないと判断してよろしいのでしょうか?
コメント、質問ありがとうございます。
>手はんだ付けおよび、はんだ槽によるはんだ付け、実装機によろフローはんだ付け
これらの作業は、はんだの鉛含有量が10%以上ならばはんだ付けの業務に該当し鉛則の適用を受けます。(鉛則第1条第5号リ)
近年は鉛フリーはんだが多くなってきました。
法解釈に「はんだ」に含まれる鉛含有率の定義がありません。
はんだは組成的(法で定められているという意味ではありません)に鉛合金に該当します。
はんだを鉛合金として解釈してよいかと監督官OBに聞きましたが、はんだの定義が法で定められていないので、その判断は妥当という回答をもらいました。
はんだの鉛含有率が低い場合は、念のため所轄労働基準監督署にお尋ねすることをお奨めします。
ただし、監督署の相談員が労働衛生の専門ではなく、土木や建築業界のOBで正しい回答が得られない場合があります。
ですので、労働衛生専門官(または労働衛生課長)クラスに聞かれるとよいと思います。