臨時作業について(特定粉じん発生源で局所排気装置を付けなくてもよい例)

11月21日の投稿で、特定粉じん発生源には局所排気装置等を設置することが規則で定められていると書きました。(粉じん則第4条)
ですが、臨時の作業について、次の3つに該当する場合は、「有効な呼吸用保護具を使用させたときは第4条は適用しない」と定めています。(粉じん則第7条第1項)
※坑内作業での設備の適用除外も7条に書いてありますが、ここでは割愛します。

  1. 1期間をもって終了し、繰り返されない作業であって、かつ、当該作業を行う期間が概ね3月を超えない
  2. 同一の特定粉じん発生源に係る同一の特定粉じん作業を行う期間が1月を超えず、かつ、当該作業の終了の日から6月以内の間に当該特定粉じん発生源に係る次の特定粉じん作業が行われないことが明らかな場合
  3. 同一の特定粉じん発生源に係る特定粉じん作業が、連日行われる場合にあっては、1日当たり当該作業時間が最大1時間以内であるときをいい、連日行われない場合であっては当該作業時間の1日当たりの平均が概ね1時間以内である場合

上の3つは、第7条の第1項の第1号から3号に、解釈を交えて書き換えたものです。(昭和54年7月26日 基発第382号)
この3つのいずれかに該当していたら、第4条に記載されている、湿潤に保つ設備、密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置を設置しなくてもよいとされています。ただ、あくまでも臨時、短時間作業で粉じんの発生が少ないと考えられるからなので、臨検にきた監督官が引いてしまうくらい粉じんが飛散していたり、床が粉じんで積もっていたら、指導書が出るかもしれません。

この臨時等の判断は、第4条の設備についてなので、この3つに該当するから「作業環境測定」もやらなくてもよいというわけではないので注意してください。

粉じん則第25条(作業環境測定を行うべき屋内作業場)
厚生労働省令で定める土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場は、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場とする。

とあります。
ここに「『常時』特定粉じん作業が行われる・・・」とあります。
この『常時』を、今まで述べた第7条の常時性の解釈を準用してしまいがちになりますが、繰り返しますが第7条は設備の適用除外なので、第25条の作業環境測定まで適用するという解釈はすることができません。
あとは法律で定められていない事務連絡や内かんを参照するか。
この事務連絡や内かんについては、11月19日の「常時とは?」に書きました。事務連絡や内かんで常時性がないと皆さん会社の管理者が判断しても、実際の判断は監督官に委ねられますので、もし、作業環境していなかったら、「是正勧告」を受ける可能性がありますので、肝に銘じておいてください。

投稿者: 管理人 ごじら

労働安全衛生コンサルタント(機械・衛生工学) 作業環境測定士から始まり、健康診断の集団検診の事業場様対応窓口を経て衛生管理者や作業主任者、化学物質リスクアセスメントの講師などをやっております。開業予定は2024年目標!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です